中学生のスマホ利用時間は平日1日平均4時間42分と過去最長に!
総務省(内閣府・こども家庭庁)の実施している全国統計調査結果によると2023年時点で中学生の86.3%がスマートフォンを所持しており、平日1日の平均スマホ利用時間は282分=4時間42分と過去最長と言う統計結果が出ています↓
【2014年~2023年の学年別スマホ利用時間の1日平均の推移グラフ】
【学年別 スマホ利用時間の推移】
スマホ 利用時間 1日平均(分) |
小学生全体 | 中学生全体 | 高校生全体 |
2023年 | 226.3 | 282.1 | 374.2 |
2022年 | 213.7 | 277.0 | 345.0 |
2021年 | 207.4 | 259.4 | 330.7 |
2020年 | 146.4 | 199.7 | 267.4 |
2019年 | 129.1 | 176.1 | 247.8 |
2018年 | 118.2 | 163.9 | 217.2 |
2017年 | 97.3 | 148.7 | 213.8 |
2016年 | 93.4 | 138.3 | 207.3 |
2015年 | 84.8 | 127.3 | 192.4 |
2014年 | 83.3 | 130.2 | 185.1 |
参照元:令和5年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」(こども家庭庁)
中には「1日7時間以上スマホを使う」という中学生も10~20%おり、大人同様にスマホ依存症にかなり近い世代となってしまっています💦
休日の中高生のスマホ利用時間は「平日+1時間」くらい
上記の総務省の「中学生のスマホ利用時間」の統計結果は平日の1日平均となっており、学校が無く平日よりも時間に余裕のある休日の利用時間は更に長くなります。
少し古い統計ではありますが、2014年にベネッセ教育総合研究所が中学生と高校生を対象に行った調査によると、休日のインターネット利用時間は平日に比べて大体50分~1時間ほど長くなっています↓
情報源:中高生のネット利用実態調査 | ベネッセ教育総合研究所
【利用内訳】中学生はスマホで何をしているの?⇒動画&音楽視聴、ゲーム
では中学生はスマホで何をしているのかというと、こちらも統計結果から確認できますが利用内訳のトップ5は以下の通りです↓
【学年別 スマホ利用内容の内訳】
利用内容 | 小学生 | 中学生 | 高校生 |
動画視聴 | 76.9% | 88.0% | 93.2% |
音楽視聴 | 47.3% | 80.8% | 88.9% |
情報検索 | 59.8% | 82.2% | 86.0% |
コミュニケーション | 46.4% | 79.4% | 85.9% |
ゲーム | 61.2% | 70.2% | 74.2% |
勉強・学習・知育アプリケーション | 17.2% | 44.1% | 52.0% |
ニュース | 15.5% | 43.1% | 53.1% |
地図・ナビゲーション | 16.2% | 40.0% | 60.6% |
撮影や制作・記録をする | 20.2% | 31.1% | 39.7% |
漫画を読む | 9.9% | 29.2% | 46.0% |
読書をする | 3.5% | 13.8% | 20.6% |
ショッピング・オークション | 2.4% | 13.0% | 35.0% |
動画視聴や音楽、ゲームなどの娯楽メインとなっており、他は連絡(主にLINE)や情報検索に使っているのが分かります。大人と同じですね。
また、小学生と比べると、「漫画を読む」「読書をする」「地図・ナビゲーション」「ニュース」「勉強・学習・知育アプリケーション」などの利用率が大きく上がっており、行動範囲が広がったサポートや情報源としてスマホを使っているのも分かりますね。
中学生のスマホ利用に時間制限はするべき?長時間のスマホによる悪影響・デメリット?
ここまでで中学生のスマホの利用に関する統計情報でしたが、長時間スマホを利用する事で中学生にどんな悪影響があるのでしょうか。
スマホに時間を取られ勉強時間が減る⇒成績が下がる
中学生は高校受験や学校の試験向けての勉強に割く時間が大きい年齢ですし、他にも部活に交友関係にとかなり忙しい時期です。
そんな中毎日スマホに4時間以上も時間を使うという事は、その分他の時間を犠牲にするしかなく、勉強時間とスマホ時間はトレードオフの関係になっていると言っても過言ではないです。
ご存じの方も多いと思いますが、スマホの利用時間と成績には強い相関関係が確認されており、スマホの利用時間が長くなるほど成績は下がっていく「反比例の関係」にある事が多くの統計によって確認されています↓
上記は東北大学と仙台市教育委員会が実施したアンケートの統計結果で、「数学のテストの点数」と「1日あたりの自宅学習時間」「1日あたりのスマホ使用時間」の関係性を表したデータです↓
【東北大学と仙台市の標準学力検査等の結果】
情報源:「学習意欲」の科学的研究に関するプロジェクト | 仙台市
上記の結果からも「スマホの利用時間が長い」ほど「テストの点数(成績)」が低い傾向になるのが分かり、スマホの使用時間と成績はほぼ反比例する事が分かります。
小さい画面を見続ける事で視力が低下する
特に最近ではスマホだけでなくタブレットでの学習機会も増えてきており、中学生だけに限りませんが子供の視力低下も問題になっています。
以下は文部科学省が2022年に発表した「学校保健統計調査」の統計結果ですが、裸眼の視力が1.0未満の割合が過去最多となった事が発表されています↓
情報源:令和3年度学校保健統計(確報値)
中学生(13~15歳)では視力が1.0未満の割合は60~70%台となっており、3人に2人が裸眼の視力1.0未満となっています。
これは過去最高値となった2020年と同水準で、直近数年を見ても小中高校生全体で視力が低下している事がはっきりと分かります↓
裸眼視力1.0未満の割合の推移(学年別)
年 | 幼稚園 | 小学生 | 中学生 | 高校生 |
2021年 | 24.81% | 36.87% | 60.66% | 70.81% |
2020年 | 27.90% | 37.52% | 58.29% | 63.17% |
2019年 | 26.06% | 34.57% | 57.47% | 67.64% |
2018年 | 26.68% | 34.10% | 56.04% | 67.23% |
2017年 | 24.48% | 32.46% | 56.33% | 62.30% |
2016年 | 27.94% | 31.46% | 54.63% | 65.99% |
2015年 | 26.82% | 30.97% | 54.05% | 63.79% |
2014年 | 26.53% | 30.16% | 53.04% | 62.89% |
2013年 | 25.48% | 29.91% | 51.59% | 60.93% |
視力低下の原因がスマホであるとこの情報だけでは断言はできませんが、前述した「中学生のスマホ所有率&利用時間」が増加している事との関連性は高いでしょう。
特にスマホやタブレット、ゲーム機など画面が小さいほど顔と画面の距離は近くなるので、保護者の方は注意してみてあげて下さい。スマホも画面が大きいものの方が視力低下対策にはなるかもしれません。
親子のルール決めの必要性:スマホの利用時間目安は”1日2時間まで”
スマホを長時間使うデメリットは前述の通り中学生の今後に関わる部分でもあるので、特に「スマホの利用時間」に関するルール決めは必須と言えるでしょう。
後述しますがスマホ利用時間と学力(成績)には強い関係があり、個人的には中学生であればスマホの利用時間の目安は「1日2時間まで」くらいが良いと思います。(もちろん判断は各家庭の方針にお任せします)
「スマホのルール決め」に関しては以下のページで詳しく解説しているので参考になると思います↓
参考までに「スマホの利用時間に関するルール」を以下にまとめておきます↓
平日●●時以降(休日は●●時以降)は使わない
使用は夜●●時まで (目安「22時まで」)
学校の宿題や翌日の準備が終わるまで使わない
ゲームやアプリでお金がかかる時は相談する
アプリのインストール禁止(保護者との相談)
SNSの使用禁止・相談(LINE/Twitter/インスタ/TikTok/その他)
テスト前一週間は使用禁止
子供のスマホの利用時間を制限できるアプリ&サービス(iPhone/Android)
ただし、実際に親子でスマホに関するルールを決めてもまだまだ自制心の弱い年齢なのでルールを破って使い続けてしまうかもしれません。
保護者側で毎回チェックできる訳でもないので、「スマホに搭載されている制限機能」や「利用制限アプリ」をスマホに導入して利用時間の制限をかけるのが良いでしょう。
定番のフィルタリングや機能制限が可能な定番のアプリサービスは以下です↓
スクリーンタイム(iPhone標準搭載)
ファミリーリンク(Google謹製アプリ)
あんしんフィルター(ドコモauソフトバンクで無料提供)
3つのアプリ・サービスを順番に解説していきます↓
【iPhone(iOS)の場合】標準搭載のスクリーンタイムでスマホ・アプリ単位で制限や管理が可能
iPhone等のiOS端末の場合、わざわざ利用制限アプリをインストールしなくても標準搭載されている「スクリーンタイム」という機能で利用制限が可能です。
参考:iPhone、iPad、iPod touch でスクリーンタイムを使う | Apple公式
iPhoneのホーム画面の「設定」>「スクリーンタイム」の順に選択し、「スクリーンタイムをオンにする」にすれば簡単にスクリーンタイムで利用制限が可能です。
レポート機能:1週間毎のiPhoneの利用時間やアクション毎の利用時間が後から確認可能
休止時間:スマホ(iPhone)自体のロックする時間帯を設定可能
App使用時間の制限:アプリ毎やカテゴリ毎の1日辺りの使用時間の制限を設定可能
通知/通話の制限:上記の休止時間中に通信/通話できる相手を制限可能
アプリストアでインストールや課金を制限可能
スクリーンタイムで利用制限できる項目としては「iPhone本体を自動ロックする時間帯(曜日別で設定可能)」と「アプリやカテゴリ毎に1日の利用可能時間を設定可能」がコントロールできるので充分でしょう。
またAppストア内からのアプリのインストールの制限や、課金の制限も可能です。
子供のiPhoneをスクリーンタイムで制限する場合には、「ファミリー共有」機能を使って保護者側でパスコードを管理して制限する事ができるので、子供のiPhone上で勝手に解除されないようにできます↓
ファミリー共有を使ってお子様のアカウントを管理していない場合
1.お子様が使っているデバイスで、以下の手順を実行します。
2.「設定」を開いて「スクリーンタイム」をタップします。
3.「スクリーンタイムをオンにする」をタップします。
4.「これは子供用の [デバイス] です」をタップします。
5.「休止時間」「App 使用時間の制限」「コンテンツとプライバシー」で、お子様に課したい制限をすべて設定するか、「あとで行う」をタップします。
6.「スクリーンタイム・パスコードを使用」を選択し、入力画面にパスコードを入力します。確認のため、パスコードをもう一度入力してください。
7.Apple ID とパスワードを入力します。スクリーンタイムのパスコードを忘れた場合は、この情報を使ってリセットできます。
【Androidスマホの場合】標準搭載のファミリーリンクでスマホ・アプリ単位で制限や管理が可能
対して子供のスマホがAndroid端末の場合、Google謹製のフィルタリング&ペアレンタルコントロールアプリ「ファミリーリンク」をインストールすることで管理&制限機能を利用できるようになります。(iOSでも利用可)
ファミリーリンクを使う事で子供のAndroidスマホで以下の制限&管理をする事が可能です↓
Google 検索のフィルタ
Google でのアクティビティの設定
Google Play での使用制限
Chrome でのウェブサイトの制限
利用時間の制限
GPS 対応デバイスの位置情報
アプリのアクティビティ
アプリのブロックとアプリの権限
こちらもスマホ本体の利用時間を設定可能(時間外はロック)ができる他、Google上でのアクションにフィルターをかける事や、アプリ毎の制限やGooglePlay使用制限も可能です。
ドコモauSoftbankが提供する「あんしんフィルター」
18歳未満の青少年にスマホを契約する場合、法律でフィルタリングアプリの導入が義務付けられています。
特にシェアの大きい大手3キャリアであるドコモ、au、ソフトバンクで18歳未満のスマホを契約した場合に導入されるのが「あんしんフィルターfor●●」があります。(利用料:無料)
「あんしんフィルター」という名称ですが、現在はフィルタリング機能(インターネット検索時に青少年に不適切・有害なコンテンツを表示しない機能)だけでなく、「アプリ単位での時間制限」や「曜日・時間ごとにスマホの起動の制限」を保護者側で設定できるなど多機能になっています↓
フィルタリング機能:有害サイトへのアクセスを制限:
Wi-Fi通信時も出会い系サイトなどの有害サイトへのアクセスを制限します。有害サイトにアクセスすると、制限画面が表示されます。
アプリ単位での利用時間の制限機能(iPhoneは不可):
インストール済みアプリの利用を制限できます。
制限されたアプリを利用する度に、パスワードの入力が必要となります。
あらかじめ設定した制限レベル(小学生/中学生/高校生/高校生プラス)にもとづき、お子さまの学齢に適さないアプリを自動で判定し、制限します。
スマホ本体を曜日や時間帯でロック:
夜間帯や学校の授業中など、保護者が設定した時間の起動を制限することができます。制限は曜日ごとに30分単位単位で設定できます。
歩きスマホを防止:
お子さまがスマートフォンを見ながら歩くと、歩行中であることを検知して警告画面を表示します。
アプリ単位での制限は「あんしんフィルター」では出来ないので、前述のiOS標準搭載の「スクリーンタイム」で設定しましょう。